2019.03.18

【2019.3.18】シドニー到着

 

3月18日10時18分(現地時間)、南極観測船「しらせ」がシドニーに入港しました!

20190318 「しらせ」船上から撮影した360度写真(2019年3月18日、撮影:第60次隊同行者 新井啓太教諭)

 

 

2019.03.13

【2019.3.13】しらせ北上中!南緯55度を通過

 

3月3日、観測隊はケープダンレー沖の海洋観測に着手し、音波のドップラー効果を利用して各層測流を行う装置(ADCP: Acoustic Doppler Current Profiler)や電気伝導度・水温・深度記録計(CTD: Conductivity Temperature Depth profiler)などで構成される係留系を海から引き上げました。

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艦首甲板で係留系を引き上げている様子。観測隊海洋チームとしらせ乗組員の素晴らしいチームワークで、予定よりも短時間で作業は進みました。

※写真は教員南極派遣プログラムHPの南極PHOTO ALBUMから360°画像でご覧いただけます。

 

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回収した係留系

 

その後、東への移動が始まり、3月10日より北上を始めた「しらせ」は13日、南緯55度を通過しました。シドニー到着まであと5日です。

  

電離層やオーロラなどの観測担当隊員から「今日で最後だよ」と宣言されていた12日には、上空全面に広がる綺麗なオーロラを見ることができました。船旅もあとわずか…。

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撮影者である教員派遣プログラムで同行中の新井さんは素敵な誕生日を迎えました。

 

しらせの動きは「進め!しらせ」をご覧ください。

本記事の写真は派遣された教員により撮影され、現地の様子は「教員南極派遣プログラムHP 南極PHOTO ALBUM(JARE60)」にもアップされています。

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越冬隊の記事は昭和基地NOW!!をご覧ください。

  

2019.03.09

【2019.3.9】世界初!南極海での窒素固定調査

 

「しらせ」艦上での海洋観測において、世界で初となる南極海での窒素固定調査を行っています。

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2月6日、氷海での採水の様子

 

今日の世界の農業生産に窒素固定は深く関わっています。

   

“窒素固定”とは、安定な(不活性)窒素分子を、反応性の高いアンモニアに変換するプロセスのことを言い、自然界では微生物によって行われる反応です。

20世紀に入ってからは工業的に窒素固定を行うことが可能になり(ハーバーボッシュ法)、その結果、窒素肥料の生産が容易となって、農業生産性が格段に上昇しました。

  

海洋においても窒素栄養塩は生物生産に大きな影響を及ぼします。窒素固定は外から海洋に供給される窒素源のうち主要な部分を占めているため、窒素固定を理解することが、海洋の生産性を理解する上での鍵となります。

  

これまでの海洋における窒素固定の研究は、主として熱帯・亜熱帯海域で進んでおり、極域ではほとんど行われたことがありませんでした。

  

最近では、新たに北極海で窒素固定が行われていることが発見され、そうなると、南極でも窒素固定が行われている可能性があります。というわけで行ったのが今回の観測で、南極海で初の窒素固定観測となりました。

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採取したサンプル

 

南極海は海洋窒素固定研究のラストフロンティアとも言える海域です。

ですので、今回のこの観測で、全球の窒素固定の分布と、それを担う微生物の分布が明らかになると考えられ、海洋全体の窒素固定の総合的理解に繋がると考えられます。

  

 

「しらせ」の動きについては進め!しらせをご覧ください。

また、越冬隊の様子は昭和基地NOW!!で更新されます。

 

 

2019.02.25

【2019.2.25】「海鷹丸」隊員、無事に帰国!

 

昨年12月27日に羽田空港から日本を離れ、「海鷹丸」にて海洋観測を行っていた夏隊員5名および同行者6名が、2月初め、無事日本に帰国しました。

 
海鷹丸は1月28日にホバート港に入港し、帰国する隊員たちはそこで下船。その後、空路でシドニーを経由し、日本へ戻りました。

 
隊員を降ろした海鷹丸は、2月2日に再び日本へ向け出発し、2月25日に東京豊海水産埠頭に帰港しました。

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※写真提供:東京海洋大学
 

約1か月に及ぶ船上での観測を終え、全員無事に帰国です。
長らくの応援、ありがとうございました。

 

なお、海鷹丸の帰港については東京海洋大学のホームページにも掲載されています。

 

引き続き、数日後に帰国予定の60次夏隊および同行者と、越冬隊の応援をお願いいたします。

60次隊越冬隊のブログはこちら⇨ 昭和基地NOW!!

 

 

【2019.2.25】58次隊設置の海底圧力計を回収!

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海底圧力計の浮上位置を確認する観測隊と「しらせ」乗組員

 

25日、58次隊で設置した海底圧力計の浮上を船首右のかなたに発見。

  

水圧を測定することで水深を推定するこの海底圧力計は、潮位や海流の長期変動を調べるために設置されたものです。

2年間もの間、1時間ごとに水圧を計り続けた装置を、慎重に引き上げます。

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海底圧力計引き上げ時の様子

 

無事、水深約4600mから装置を回収!

上空には、ナンキョクフルマカモメの群れと彩雲が見えました。

 

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「しらせ」上空に見えた、ナンキョクフルマカモメの群れと彩雲

   

この後アムンゼン湾流氷域に進入した「しらせ」は、再び海洋観測を実施。

26日にはアムンゼン湾における野外観測を実施する予定です。

  

「しらせ」の動きについては進め!しらせをご覧ください。

本記事の写真は派遣された教員により撮影され、現地の様子は「教員南極派遣プログラムHP 南極PHOTO ALBUM(JARE60)」にもアップされています。

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越冬隊の記事は昭和基地NOW!! で更新していきますので、こちらもどうぞご覧ください。 

 

2019.02.24

【2019.2.24】氷海を離脱

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「しらせ」から見た定着氷縁

 

2月23日14:59(日本時間20:59)、ようやくリュツォ・ホルム湾沖の氷海を離脱した「しらせ」は、ここまでのラミング回数が合計1743回となりました。

復路も海洋観測及び野外観測を実施しながら、シドニーへ向かいます。

 

24日には氷縁まで到達し、さっそく海洋観測を実施しました。

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窓から見える観測甲板での作業風景

 

観測甲板の外仕事と連携して、艦内(第4観測室)では帰国後の解析に向けてのサンプル処理が進みます。

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サンプル処理を行う隊員たち

 

海洋観測後は、ついに氷縁から海面へ!

ようやく海に出て、艦内では歓声の声。

久しぶりの波しぶき。

虹。

船酔いとの戦いが始まった隊員もいますが…、復路の観測を進めます!

 

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氷縁から海面へ

 

「しらせ」の動きについては進め!しらせをご覧ください。

 

本記事の写真は派遣された教員により撮影され、現地の様子は「教員南極派遣プログラムHP 南極PHOTO ALBUM(JARE60)」にもアップされています。

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また、60次越冬隊は2/20に無事越冬成立いたしました。

越冬隊の記事は昭和基地NOW!! で更新していきますので、こちらもどうぞご覧ください。

2019.02.19

【2019.2.19】進め!しらせ

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2月18日、「しらせ」からの景色。360度カメラで撮影(同行者 新井さん撮影)。

  

第59次越冬隊と第60次夏隊・同行者を乗せた「しらせ」は、12日、リュツォ・ホルム湾の定着氷域を離れ、北上し始めました。リュツォ・ホルム湾の流氷域に入ると、凍結密氷域(氷盤が互いに凍りついている氷域)となっており、「しらせ」は砕氷航行を開始しました。海氷上には積雪が約1Mあり、その雪がクッションとなって、砕氷航行を阻みます。往路では344回だったライミング回数も、日本時間の2月19日午前3時時点で1273回(往路回数含む)です。

 

観測隊を乗せた「しらせ」の動きは、国立極地研ホームページの進め!しらせからご覧いただけます。少しずつ前進する「しらせ」と観測隊の行動を、みんなで見守り応援しましょう!

 

隊員が毎日撮影している「しらせ」からからの360度写真は、随時、「教員南極派遣プログラムHP 南極PHOTO ALBUM(JARE60)」にアップしています。こちらでは本ブログに載せた2月18日の写真も、360°ビューでお楽しみいただけます。復路の景色も是非ご覧ください! 

 

 

2019.02.17

【2019.2.17】大気バイオエアロゾル観測!様々な方法で世界でも貴重なデータを取得

 

1月10日および22日の2回、大陸上の観測拠点であるS17において、無人航空機を用いた大気のバイオエアロゾル(大気中に浮遊している生物粒子)観測を行いました。

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観測にはカイトプレーンを使用し、高高度のデータを取得しました。

  

南極上空の高度約1,000m付近における大気バイオエアロゾルの採取と生物分析は、世界でもほとんど例がなく、今回得られたデータは、エアロゾル研究分野ばかりでなく、生物進化学、系統地理学、農学、気象学、医学などの分野にとっても、貴重なデータです。

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また、S17観測拠点においては、2018年12月26日~2019年1月23日までの間、大気バイオエアロゾルの地上定点連続採集と微生物センサによる連続観測も実施しました。

大気バイオエアロゾルの南極大陸内陸での定点連続観測は、世界でも珍しいものです。

  

さらに、「しらせ」艦上では、

2018年11月29日~12月15日(往路)、2019年2月1日~2月17日(復路)

の間、海洋上の大気バイオエアロゾルを含む、エアロゾル観測を行いました。

特に、2019年2月1日~6日までの期間は、昭和基地と「しらせ」の同時刻同期間で連続大気バイオエアロゾル採集を実施しました。

南極地域における陸海同時の大気バイオエアロゾル観測もまた、世界では実施された報告がほとんどありません。

  

2019年1月28日、生態系観測としても、アデリーペンギンを発生源とした大気バイオエアロゾル調査のために、ラングホブデ袋浦のルッカリーにおいて大気バイオエアロゾル地上採集を実施しました。

帰国後サンプル分析を行います。

  

今回得られた様々なデータをもとに、今後、空域・陸域・海域生態系の関係を検討します。

【2019.2.17】第1次隊で建設の主屋棟、60次隊で保全調査を実施!

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現在の旧主屋棟全景

 

昭和基地の主要部に建つオレンジ色の建物。これは、1959年に南極地域観測隊第1次隊で建設された歴史的な建造物です。この「旧主屋棟」を本格的に現地保存する“南極史跡記念物”への登録方針が決まり、60次隊では、保存方法を決めるための現状調査を行いました。

  

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保全調査を行う隊員

 

2019年1月、数日間にわたり壁パネルの現状確認及び塗装面の付着試験、屋上パネルの目視確認及び防水材のサンプリング、基礎鉄骨の状況確認及び超音波による厚さ測定などの作業を行ない、2月5日、調査資料やサンプルをもとに、当時この建物の設計を行った株式会社竹中工務店の現在の担当者(日本)と衛星回線を通じてテレビ会議を行い、保存方法についての検討を行いました。
 

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屋上パネルサンプリングの様子 

  

今後、試験施工が実施され保存方法が確定すれば、本格的に施工を行い南極史跡記念物に登録申請をする、という予定になっています。

   

南極にはすでに90件以上が南極史跡記念物に指定されていますが、日本では、「1960年に日本の観測隊で唯一死亡した福島紳を記念して昭和基地に建てられた石塚と銘板(福島ケルン)」の1件が登録されているのみ。今後、旧主屋棟も登録されれば、日本で2件目の南極史跡記念物となります。

  

気象条件の厳しい南極で、60年たった今もしっかりと建つ旧主屋棟。当時の日本のテクノロジの高さを表しています。南極のために考案されたプレハブ工法も、現在では、身近なところで一般的に使用されるものとなりました。

 

 

2019.02.12

【2019.2.9】60次隊全4回の南極授業すべて終了!

 

2月9日、神奈川県逗子市にある世界でいちばん小さい科学館「理科ハウス」にて、南極授業が行われました!

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国内会場の様子

 

事前に募集した一般の中高生約20名は、お昼ごろから続々と理科ハウスへ集まりました。

 

当日の逗子は雪の予報でしたが、幸いにも曇りで何とか持ちこたえ、事前授業として屋外での実験も行えました。導線を大縄跳びのように回すことで、地磁気を利用して発電し、発電量を測定します。

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理科ハウス屋外での実験の様子

 

そしていよいよ昭和基地との中継です!

昭和基地はあいにくの吹雪で外での実験はできませんでしたが、その代わりに基地内の防火区画A(通称:防A)という場所で導線を回し、逗子での発電量と比較しました。

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昭和基地での実験結果を説明する髙橋先生

  

この後、固体地球物理学を専門とする金尾隊員、昭和基地での地磁気観測を担当している二村隊員も交え、会場と昭和基地とで実験結果について討論し、二村隊員からは、昭和基地で行われている地磁気絶対観測のようすの紹介もありました。

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髙橋先生(中)と一緒に質問に答える二村隊員(左)と金尾隊員(右)

  

集まった生徒たちからはたくさんの質問が出て盛りあがり、授業は充実した時間となりました。

昭和基地では質問に答えた隊員以外にも多くの隊員が授業を見守り、最後は手を降ってお別れしました。

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昭和基地の食堂に集まっていた隊員たち

 

授業後、髙橋先生は、「質問が面白いのは予想通りで、これからもすきなこと、興味があることを大切にしていってほしいと願ってやみません。子どものあのような姿を見ると、未来は明るいなと思わせてもらえます。」とコメントしました。

  

帰り際、参加者の中高生は口々に「面白かったー!」と言いながら、理科ハウスを後にしました。

髙橋先生が最後で伝えた「実際にやってみる」を、彼らが将来にわたって実践してくれることでしょう。

  

本授業をもって60次隊で予定していた全4回の授業がすべて終了しました。

1回目:【2019.1.29】60次隊、第1回目の南極授業を実施!

2回目:【2019.2.3】極地研で南極授業を実施!

3回目:【2019.2.8】調布第七中学校で南極授業!